プレスリリース

2025年開設・国際的な無償の小児医療センター「ジャパンハートアジア小児医療センター」イベント開催

「大人たちが道を作り、子どもたちがその道を切り開いていけるような活動ができれば」

日本発祥の国際医療NGOである特定非営利活動法人ジャパンハート(東京都台東区 理事長:吉岡春菜)は、2025年に開設する国際的な無償の小児医療センター「ジャパンハートアジア小児医療センター」の発表と、医療支援・小児がんへの理解促進を目的に、2023年4月18日(火)に記者説明会とシンポジウムを開催しました。

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(写真左から)しゅんしゅんクリニックP、吉岡春菜、吉岡秀人、岸谷香、松浦美穂

第一部の記者説明会においては、ジャパンハートで理事長を務める吉岡春菜より、今回のプロジェクトについて「命の格差を無くすためにも、まずは早期診断ができる体制を整え、がん患者の治療を完結させるような活動にしていければと思います。そして、アジアを代表する小児医療拠点へと拡大していきたい」と、力強い言葉がありました。続いて、プロジェクトの発起人であるジャパンハートファウンダー・小児外科医の吉岡秀人からは、「日々発展していく世の中で、身の回りには取り残されていく人も数多くいます。開発途上国においても、治療が出来れば助かるのに、治療が行き届いていないがために亡くなっていく子どもたちも多くいます。医療に限らず、あらゆる場面で大人たちが道を作り、子どもたちがその道を切り開いていけるような活動ができればと思っています」と、このプロジェクトに懸ける強い想いが語られました。

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その後、ジャパンハートの活動に賛同いただいたゲストとして、ミュージシャンの岸谷香(きしにたかおり)さん、TWIGGY.主宰/クリエイティブ・ディレクターの松浦美穂(まつうらみほ)さん、そして、現役医師芸人しゅんしゅんクリニックPさんがゲストとして登場。しゅんしゅんクリニックPさんは、以前訪れたジャパンハートのカンボジアの医療現場の実情を語るとともに、「今回のプロジェクトを通じて、カンボジアをはじめ1人でも多くのアジア諸国の子どもたちの命が救われることを願っています」と、新病院に対する期待に胸を膨らませます。

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また、岸谷さんは自身の娘さんをボランティアとして途上国に行かせた経験を踏まえ、「娘が日本に帰ってきてから、現地の子どもとビデオ通話で会話している様子を見て、なんだか嬉しく思いました。さらにその子どもは、『病気が治ったら日本に行きたい!』という夢を持っており、ほんの小さなことでも子どもたちに夢を与えることができたんだなと感じました。医療従事者でなくても、私たちにできることのヒントがたくさんあると思っているので、色々な場面で(この活動に)賛同する意味があると思っています」とコメント。

さらには、松浦さんは自身の職業を踏まえてこれまでの活動を振り返りながら、「美容室には多様な人が来て、ボーダーはどこにあるのかをずっと考えてきました。思想や行動にボーダーはないと思うので、私にも美容師としての枠を超えてできることがあるのかもしれないと思い、今回活動に賛同することを決めました」と想いを語りました。第一部の最後には、今回のプロジェクトに賛同したゲスト3名のコミュニケーションボード就任を記念して、理事長の吉岡春菜より名刺が渡され、今後もジャパンハートとともに2025年の開設に向けて活動していく表明を行いました。

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続いて行われた第二部のシンポジウムでは、国立国際医療研究センター病院で小児科診療科長・第一小児科医長・小児腫瘍内科医長を務められた、医師の七野浩之(しちのひろゆき)先生より、小児がんの治療の歴史と今後についての基調講演を実施。七野先生は「世界ではまだまだ小児がんは亡くなるリスクの高い病気であり、診断もされずに亡くなってしまうケースが多くあります。ただ、本来は“治せる病気”なので、これから複数の医師が連携して、生存率向上を図っていく必要があると考えております」と、これまで行ってきた小児がんの生存率向上支援事業に関するお話を踏まえながら、日本と低中所得国との生存率格差(サバイバルギャップ)について語りました

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続いて、ジャパンハートこども医療センター小児科部長で小児血液腫瘍科の専門医である、嘉数真理子(かかずまりこ)医師による基調講演では、「カンボジアでは、推定患者数の約半数以上が診断されずに命を落としています。また、がんと診断されても治療をするお金がなく、あきらめて家に帰るしかない子どもたちもたくさんいます。そんな子どもたちをなんとかしてあげたいという家族の希望を叶えてあげるためにも、今回のプロジェクトは大きな意味があると思っております」と、カンボジアにおける小児がんの事情を伝えました。

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(奥から)総合司会のセント・フォース取締役/アナウンサー 望月理恵、吉岡秀人、七野浩之、竹内幸史

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その後、「途上国への医療支援の意義と、日本にとっての価値」をテーマに、5名(七野先生、竹内幸史さん、岸谷香さん、松浦美穂さん、吉岡秀人)によるパネルディスカッションが行われました。その中で、七野先生から、「命は平等だと思っていたが、お金が無ければ治療もできないという現実にショックを受けました。そういった課題を解消していくためにも、我々ができることから行動に移していくことが大切です」といった提案が行われると、吉岡からは「経済の発展そのものが医療の制度を発展させていくことに繋がり、それこそが特効薬だと思っています」と、両者ならではの視点で途上国の医療課題に向けた考えを述べました。

また、岸谷さんは東日本大震災後に行った被災地支援の経験から、「プリンセスプリンセスの再結成も、自分一人の行動だけでなく、より多くの人が集まればもっと大きなことができるのではないか、という想いから始まりました。世界中の子どもたちに対しても、自分の子どもに置き換えたときに、親なら誰しもが何かをしてあげたいと思うはずなので、人それぞれの方法でサポートしてあげることが大切です。私はそういったきっかけを日本中にばら撒いていければと思います」と一母親としての視点で医療支援について語りました。

松浦さんは、東日本大震災直後の2011年5月にスタッフとともに被災地を訪れた当時を思い出しながら、「その時はまだヘアカットをしてほしいという意欲さえもなかったタイミングでした。とあるおばあちゃんの肩をマッサージしたことから一人、また一人と触れ合いが始まり、ヘアカットへと繋がっていきました。そんな中、女の子の前髪を大胆に切りすぎてしまい、泣き出してしまったことがあったのですが、それをきっかけに震災後の辛さで涙を流せずにいた子どもの心が少しだけ解けていくのを感じ、美容師としてできることを一つずつやっていこうと思った瞬間でもありました」と、美容師という立場ならではの活動内容やその意義について語りました。

さらに、実際に世界各国の医療支援を目の当たりにしてきた元朝日新聞記者で国際ジャーナリストの竹内さんは、「日本はメディカルリテラシーが高いが、カンボジアは全くリテラシーがない中で、病院も大変な思いをしています。ハイテクな医療技術を知らない国はまだまだたくさんあるので、日本からの医療輸出についても考えていかなければならないですね」と、今後より開発途上国へ医療を届けていくための提案を展開しました。

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最後に、吉岡は「未来の子どもたちに将来を託すこと、それは今の自分たちの行動にかかっています」と改めて自身の考えを述べながら、シンポジウムを締めくくりました。

寄付募集について

「ジャパンハートアジア小児医療センター」プロジェクトでは、建設に向けてご寄付を受付中です。
こちらから寄せられた寄付は全額、新病院への費用にあてられます。

本件に関する取材のお問い合わせ

特定非営利活動法人ジャパンハート
担当:上村・松本
電話:03-6240-1564
メール:publicity@japanheart.org