活動報告
新病院が建設される「タクマウ」にまつわる歴史をご紹介します
新病院が建設される予定のカンボジア カンダール州タクマウ市は、首都プノンペンから11km南に位置する町で、プノンペン中心部から車で約20分ほど進んだ場所にあります。
2026年にオープン予定のタクマウ国際新空港建設予定地からも近いため、将来的にカンボジア以外の貧困国(ミャンマー、ラオスなど)からの患者さんの受け入れがしやすくなると考えています。
実は、そんな「タクマウ」の地名は、カンボジアのとある英雄の名前に由来しています。
クメール語で「タ」はおじいさん、「クマウ」は黒いという意味です。タクマウ市内のロータリーには実際に「タクマウ」の像があり、いまでもお参りに来る方々がいるそうです。
一体「タクマウ」はなぜ、多くのカンボジア人から信頼を集めているのでしょうか?
新病院建設の地にまつわる伝説を、少しだけこの記事でご紹介します。
タクマウはチョームという名の夫、チャオという名の妻を持つ農民の一家に生まれました。
ある日チョームとチャオはタクマウを連れて、王宮で勉強をしていたのですが、その時にタクマウは王に気に入られ、王宮にとどまるように言われました。
タクマウは宮殿でアルファベットや戦術、倫理、魔法を学び、一人前の王室兵士として仕えるまでに成長。
タクマウは中央地帯の部族で唯一の指導者として君臨し、敵から部族を守る、魔法を使って人々を悩ませる病気を抑える、森や伝統文化を守るなど、様々な面で部族に貢献しました。
特に戦闘では彼の右に出る者はなく、多くの人々から尊敬されていました。
そこで王はタクマウを王室総督と中部地方総司令官に任命し、国防の功績からポンヘア・クマオの称号を授けました。
国民に奉仕しやすく、王室の命令を受けやすいように、タクマウは妻子を持たず、国家のことを考えて生涯独身を貫いたといわれています。
ポル・ポト政権の崩壊後、タクマウの信仰は復活し、2002年にはタクマウ市に彼の銅像が建てられました。
黒いステッキ(クランホンと呼ばれる高級木材)を持ち、テチャック(強力な魔法)のベストを着ています。
タクマウは、人々の願いを叶えてくれる魔法を持った英雄と信じられていたことから、現在もタクマウの像にお参りにくる人々が多いそうです。
そんな英雄が見守る街に建設する新病院。
たくさんの子どもたちを救い、子どもたちや家族の願いを叶えてくれる病院だと思ってもらえるように活動していきたいと思います。
※上記の伝説については、カンボジアの方に聞き取りした内容をもとに作成しています。
皆さんも新病院ができたらぜひタクマウの像を見に来てくださいね!